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LRTの写真をあしらった細長い箱と、黒と黄色の車両が描かれた個包装のスイートポテト3つ

栃木県宇都宮市

GOOD CYCLE PARTNER#82

ライトラインすいーとぽてととは宇都宮白楊高校の生徒たちが、LRTをお菓子にした。

Utsunomiya Hakuyo High SchoolGOOD CYCLE FES UTSUNOMIYA 2026 パートナー

通学路を走る電車を、
ひと口のお菓子に。

宇都宮の街を走るLRT「ライトライン」。その車両をかたどったスイートポテトを考え、商品にしたのが、栃木県立宇都宮白楊高等学校の生徒たちです。開業した電車への関心から始まり、売り場の調査、和菓子店との試作、学科を越えた分担、環境に配慮した包装まで。一つのお菓子ができるまでの、生徒たちの挑戦をたどります。

01
About

LRTを、ひと口のお菓子に。

「ライトラインすいーとぽてと」は、宇都宮のLRTの車両をかたどったスイートポテトです。宇都宮白楊高校の生徒たちが企画し、地元の和菓子店とともに商品にしました。

車両の黒と黄色を表すのは、地元の大谷石で熟成させた「ほっこり」と紫芋。真ん中の紫芋を両側から黄色い芋で挟み、切り口にも車体の色の対比を描きました。学校で栽培したカボチャも原料の一部に使い、ほかの商品にはない白楊らしさを加えています。

学校がまとめた商品の活動報告を読む(PDF) →

皿にのせたスイートポテトの断面。黄色い生地の中央に紫芋の層が通り、後ろにLRTが描かれた個包装が立つ
黄色い芋で紫芋を挟んだ、2色の断面
02
Origin

通学路に走り出した、新しい電車から。

黄色と黒の車体のライトラインが、駅前の停留場に停車している
宇都宮の街を走るライトライン

2023年8月26日、宇都宮芳賀ライトレール線が開業しました。宇都宮市の東部を走る新しい電車は、生徒たちの通学の選択肢も広げました。毎日の暮らしに入ってきたLRTが、商品開発の出発点です。

同じ年の12月、流通経済科の生徒たちは、宇都宮大学の長田哲平ゼミナールの勉強会「都市を変える交通システムのデザイン」に参加し、ライトレールの現状と課題を学びました。

2023.08

LRTが開業

ライトレールが走り出し、通学の選択肢が広がる。

2023.12

勉強会で学ぶ

宇都宮大学のゼミの勉強会で、ライトレールの現状と課題を知る。

2024

商品を形に

調査と協議、試作を重ねて、ライトラインすいーとぽてとが完成。

2024.10

マロニエプラザで販売

全国産業教育フェアの会場で、来場者の手に届ける。

03
Research

お土産売り場を歩いて、見つけた空白。

ライトレール関連商品を「食品類と雑貨類」「ライトレールの形に近い・遠い」の2軸で並べた図。食品で形に近い領域が「新規参入のターゲット領域」と示される
生徒がつくったポジショニングマップ。食品で、形が近い場所が空いていた

生徒たちは、東宇都宮停留場やJR宇都宮駅ビルの土産物店で、ライトレールに関わる商品を調べました。ライトレールに関わる土産品を整理するポジショニングマップを作り、言葉の傾向を見るテキストマイニングにも取り組んでいます。

見えてきたのは、ライトレールの形をした食品がまだないということ。たくさんの商品が並ぶ売り場の中に、空いている場所を見つけました。

次に向かったのは、LRTを運行する宇都宮ライトレールです。生徒たちは運行会社と協議を重ね、ライトレールの形をしたお菓子を開発することを決めました。

試食アンケートの言葉を大きさで表した図。「美味しい」「甘み」「しっとり」「見た目」などの言葉が並ぶ
試食アンケートをテキストマイニングで分析。「美味しい」「甘み」「しっとり」が大きく浮かぶ
04
Partner

地元の和菓子店と、形を決める。

器にのせたライトラインすいーとぽてとと、車両が描かれた個包装
若山商店と仕上げた、車両の形のスイートポテト

ともに商品をつくったのは、宇都宮市の和菓子店「若山商店」です。若山商店の「すいーとぽてと」の形がライトレールに似ていたことから、生徒たちはこの形をもとに、ライトレールを模したスイートポテトを提案しました。

春先から協議と試食アンケートを重ね、およそ6カ月をかけて味と形を詰めていきました。農業経営科の生徒とともに若山商店の石那田工場を訪れ、試作にも立ち会っています。

開発に関わった生徒は、LRTの形に近づけることと、2色のコントラストをはっきり出すことに苦労したと振り返っています。パッケージのデザインも、生徒が考えた原案をもとに完成させました。

05
Team

七つの学科が、それぞれの専門で。

教室で輪になって座り、試作品を手に話し合う流通経済科の生徒たち
商品化に向けて話し合う、流通経済科の生徒たち

中心になったのは、流通経済科の商業部です。商品の調査、仮説づくり、企業との協議、企画と提案、パッケージのデザイン原案まで。マーケティングから販売までの流れを受け持ち、著作物の利用許諾契約や商標料の交渉にも取り組みました。

農業経営科は原料のカボチャを育て、食品科学科は食品成分表示ラベルを作成。情報技術科はパッケージに使う写真を撮影し、生物工学科は加工用の米粉を使ったレジ袋を企画しました。

MARKETING

流通経済科

調査、企画、協議、デザイン原案、契約や商標料の交渉まで、商品づくりの全体を受け持つ。

FIELD

農業経営科

原料のカボチャを栽培し、工場での試作にも立ち会う。

FOOD

食品科学科

食品成分表示ラベルを作成する。

PHOTO

情報技術科

パッケージに使う写真を撮影する。

BIO

生物工学科

加工用の米粉を使ったレジ袋を企画する。

NEXT

全7学科へ

「白楊高校がライトレールで観光化を目指す」をテーマに、全学科での協働を目指す。

06
Package

包むところまで、地域と環境を考える。

持ち手の穴が開いた黒い箱。若山商店と白楊高校のマーク、「生徒が考案しました!」の文字、ライトラインの写真が並ぶ
持ち手付きの箱。側面にライトラインの写真が並ぶ

ライトラインすいーとぽてとは、中身だけでなく、持ち帰るための形にも工夫があります。持ち手付きのキャリー式の箱と袋を採用し、レジ袋がなくても持ち運べるようにしました。

開発の資金は、宇都宮市の「みやの環境創造 提案・実践事業」に応募して採択されています。紙の包装による環境への配慮が評価されました。

包むものを考える取り組みは、ほかにもあります。生物工学科は米粉を使ったレジ袋を企画し、落ち葉を再利用した紙袋の試作にも取り組んでいます。足元に積もる落ち葉を、包むための素材として見直す挑戦です。

07
Sale

マロニエプラザから、駅や百貨店へ。

LRTの写真をあしらった細長い箱と、LRTの形をした個包装のスイートポテト
3個入りの箱で、駅や百貨店の売り場へ

2024年10月、全国産業教育フェア「さんフェアとちぎ」のマロニエプラザ会場で、ライトラインすいーとぽてとが販売されました。GOOD CYCLE FESと同じ会場で、生徒たちの考えた一品が来場者の手に渡りました。

販売の場は、JR宇都宮駅構内の「とちびより」、学校祭、栃木県庁1階の「おいでよとちぎ館」、若山商店、東武百貨店宇都宮、カンセキへと広がっています。若山商店の通信販売でも買えるようになり、2025年4月1日からはライトラインの車内でPRアナウンスも流れています。

完成した商品を手にしたとき、開発に関わった生徒は大きな達成感を感じたと振り返っています。

商品化を伝える宇都宮経済新聞の記事を読む →

08
Learning

スイーツの先にある、白楊の学び。

宇都宮白楊高校には、農業経営科、生物工学科、食品科学科、農業工学科、情報技術科、流通経済科、服飾デザイン科の7学科があります。1895年創設の栃木県簡易農学校を起源とし、1991年に県内初の総合選択制専門高校として現在の校名になりました。

学科の学び・活動を見る →

鬼怒川の河川敷で、抜き取った外来植物をバケツに入れて並ぶ生徒たち
ENVIRONMENT河原の植物を守る

生物工学部が鬼怒川の河川敷で、カワラノギクの生育を妨げる外来植物を除去。

那珂川の河川敷で、駆除したアレチウリの袋を前に並ぶ生徒たち
CLEAN UP那珂川の外来植物を駆除

那珂川クリーンアッププロジェクトに参加し、アレチウリを取り除く。

黄色い素材を重ねた衣装を着たモデルと、制服姿の生徒
COSTUME一着の衣装を形に

服飾デザイン科の作品「欲求」が、ファッション甲子園2026で審査員特別賞を受賞。

マネキンの髪をヘアアイロンで巻く練習をする生徒たち
SHOW見せるところまで

白楊祭のファッションショーに向けて、ヘアメイク講座で仕上げを学ぶ。

製作室に並ぶ衣装を、ノートを手に見て回る生徒たち
STUDY60着の衣装に学ぶ

衣装見学会で、装飾や縫製、素材の使い方を一着ずつ確かめる。

赤や黒、ゴールド、羽根をあしらった衣装が並ぶ製作室
STUDIO製作室に並ぶ作品

色も形も異なる衣装を、生徒一人ひとりが仕立てる。

09 / GOOD CYCLE

一つのお菓子から、地域の未来をつくる。

ライトラインすいーとぽてとには、地方創生につながる四つの役割があります。

一つ目は、街の新しい交通を、地域の名物につなぐこと。開業したLRTを、高校生の発想で手に取れるお土産に。乗るだけでなく、味わうことで地域の交通に親しむ入口をつくりました。

二つ目は、地元の素材と店を、商品で結ぶこと。大谷石で熟成させた芋、学校で育てたカボチャ、地元の和菓子店の技術。宇都宮にあるものを組み合わせて、一つの商品にしています。

三つ目は、学校の学びを、地域の仕事につなげること。調査、協議、契約、デザイン、栽培、表示。教室で学ぶ専門が、実際の商品を世に出す仕事として動いています。

四つ目は、持ち帰るところまで、環境を考えること。レジ袋のいらない箱、米粉の袋の企画、落ち葉の紙袋の試作。食べたあとまで想像する視点が、地域の暮らしを少しずつ変えていきます。

  1. 01
    名物にする新しい交通を、地域のお土産に。
  2. 02
    結ぶ地元の素材と店を、一つの商品に。
  3. 03
    つなげる学校の学びを、地域の仕事へ。
  4. 04
    考える持ち帰るところまで、環境を。

10 / Message

開発メンバーが商品に込めた、ことば。

完成したライトラインすいーとぽてとの箱を手に並ぶ、開発に関わった生徒たち

宇都宮白楊高校
開発メンバー一同

LRTの形に、近づける。2色を、はっきり見せる。

開発に関わった生徒が、いちばん苦労したと振り返った二つのことです。車両の形をどこまで再現できるか。黒と黄色の色の対比を、2色の芋でどう表すか。何度も試作を重ねて仕上げたお菓子には、通学路を走る電車への思いと、地域の人に手に取ってほしいという願いが込められています。

宇都宮白楊高校開発メンバー一同

11 / FAQ

よくあるご質問

ライトラインすいーとぽてとは、どんなお菓子ですか?

宇都宮のLRTの車両をかたどったスイートポテトです。大谷石で熟成させた「ほっこり」と紫芋の2色で車両の黒と黄色を表し、学校で育てたカボチャも原料の一部に使っています。

誰がつくった商品ですか?

宇都宮白楊高校の生徒たちが企画し、宇都宮市の和菓子店「若山商店」と協議や試作を重ねて商品にしました。流通経済科の商業部が中心となり、ほかの学科も役割を分担しています。

開発のきっかけは何ですか?

2023年に開業したLRTです。生徒たちは勉強会でライトレールについて学び、土産物店の調査で、ライトレールの形をした食品がないことに気づいたことから開発を決めました。

どの学科が関わりましたか?

流通経済科が商品づくりの全体を受け持ち、農業経営科がカボチャの栽培、食品科学科が成分表示ラベル、情報技術科がパッケージ写真、生物工学科が米粉を使ったレジ袋の企画を担当しています。

包装には、どんな工夫がありますか?

持ち手の付いたキャリー式の箱と袋で、レジ袋がなくても持ち帰れるようにしています。紙の包装による環境への配慮が評価され、宇都宮市の「みやの環境創造 提案・実践事業」に採択されました。

どこで買えますか?

これまでに、全国産業教育フェアの会場、JR宇都宮駅構内の「とちびより」、学校祭、おいでよとちぎ館、若山商店、東武百貨店宇都宮、カンセキなどで販売されています。最新の販売情報は、学校や販売店の案内で分かります。

宇都宮白楊高校は、どんな学校ですか?

農業・生物・食品・農業工学・情報・商業・服飾の7学科を持つ、県内初の総合選択制専門高校です。環境保全や衣装制作など、学科ごとに地域と関わる取り組みを続けています。

12 / Information

ライトラインすいーとぽてと商品と学校の情報

商品名ライトラインすいーとぽてと
企画・開発栃木県立宇都宮白楊高等学校(流通経済科 商業部ほか)
製造の協力若山商店(宇都宮市の和菓子店)
特徴LRTの車両の形/大谷石で熟成させた「ほっこり」と紫芋の2色/学校で育てたカボチャを一部使用/レジ袋のいらないキャリー式の箱
主な販売の場全国産業教育フェア、とちびより(JR宇都宮駅構内)、学校祭、おいでよとちぎ館、若山商店、東武百貨店宇都宮、カンセキ
学校栃木県立宇都宮白楊高等学校
栃木県宇都宮市元今泉8丁目2番1号
公式サイト栃木県立宇都宮白楊高等学校

通学路の電車が、地域のお土産になった。

生徒たちの商品づくりや、各学科の取り組みは、学校公式サイトの学科紹介とブログで発信されています。

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