宇都宮・下栗町に、ほっとするお菓子の店。
田園の風景が残る住宅街の一角に、菓子屋 tsumugu.はあります。自らを紹介するときに使うのは、「小さな小さなお菓子屋さん」という言葉。目指すのは、子どもから年配の方まで楽しめる、ナチュラルでほっとするお菓子です。一つひとつ丁寧に作ることを、店の基本に置いています。
並ぶのは、生菓子、焼き菓子、予約で用意するデコレーションケーキ、そして焼き菓子のギフト。普段のおやつを選ぶときにも、誰かの誕生日を祝いたいときにも、同じ店に相談できる品ぞろえです。
店名の「tsumugu.」には、お菓子を通じて人や思い、幸せ、縁をつないでいきたいという願いが込められています。日常のおやつと贈り物を分けて考えるのではなく、暮らしのいくつもの場面にお菓子を届ける。その姿を、店主の歩みとともに見ていきます。

お菓子をつくることも、店を営むことも。

店主の大塚明子さんは、宇都宮市内の高校を卒業したあと、東京の製菓専門学校へ進みました。その後はケーキ店、カフェ、レストランなどで、飲食の仕事を重ねています。
開業前に公開したプロフィールで振り返る経験は、製菓から店づくりまで広がります。料理やお菓子のメニュー開発、店長としての業務、新店舗の立ち上げ、物件探しから開業まで。お菓子を作る技術と、店を動かすための経験。その両方を持つ作り手です。
自らカフェを営んだ時期もありました。菓子屋 tsumugu.は、作る仕事と店を営む仕事を重ねてきた大塚さんが、次の店のあり方を考え抜いて始めた菓子屋です。
もう一度、無理なく続けられる大きさで。
転機は2023年。大塚さんは、それまで営んでいたカフェを3月末に閉じました。暮らしと仕事の両方を考えたうえでの決断です。それでも、自分のできる範囲で再び店を開きたいという思いは変わらなかったことを、当時の公開プロジェクトで伝えています。
次に選んだのは、自宅の敷地に設ける小さな店舗。基本的に一人で製造と接客ができ、無理なく続けられる規模を考えました。店の大きさに仕事を合わせるのではなく、続けられる仕事のかたちから、店の規模を選び直した再出発です。
2023年秋のクラウドファンディングには、133人から支援が集まりました。建物ができたあとも、外壁や内壁、床などにDIYを取り入れながら準備を進め、2024年2月20日に開業しています。
前の店を閉店
カフェの営業を終え、次の店のかたちを考える。
開業へ支援を募る
新しい菓子屋の計画を公開し、開業資金の一部を募る。
建物が完成
DIYも取り入れながら、店を開くための作業を進める。
tsumugu.開業
2月20日、宇都宮・下栗町で小さな菓子屋の営業が始まる。
親しみのある生菓子を、今日のおやつに。
公式メニューに並ぶのは、ショートケーキ、チョコ生ケーキ、焼きチーズケーキ、和栗のモンブラン、プリンアラモード、シュークリームなど。初めて店を知る人にも、どんなお菓子か思い浮かべやすい名前ばかりです。
華美さや奇抜さよりも、幅広い世代が楽しめるほっとするお菓子を。開業前から大塚さんが伝えてきた考え方が、この顔ぶれに表れています。特別な知識がなくても、自分の好きなお菓子から店に出会える品ぞろえです。
ショーケースの顔ぶれは、季節や行事、その時々の店主の判断で変わっていきます。来店する日のラインナップは、Instagramのお知らせで見てから出かけると、その日の楽しみがふくらみます。

スコーンからクッキーまで、焼き菓子を選ぶ楽しさ。

tsumugu.のもう一つの柱が、焼き菓子です。公式メニューには、スコーンやマフィンから、ビスケット、サブレ、フロランタンまで、さまざまな焼き菓子が並びます。
その顔ぶれを、六つに整理しました。品ぞろえを見渡すための分け方で、人気の順番とは別のものです。名前から気になる一品を探すことも、焼き菓子選びの入口になります。
全粒粉スコーン
掲載メニューの一つ。生菓子とは違うおやつを選びたい日の楽しみです。
マフィン
焼き菓子のラインナップに並ぶ一品。種類や店頭に並ぶ日は、その時々のお知らせで分かります。
パウンドケーキ・ブラウニー
ケーキを選ぶ楽しさが、冷蔵のショーケースの外にも広がっています。
クッキー・ビスケット
塩バニラクッキーや全粒粉ビスケットなど、名前から選ぶ楽しさがあります。
ショートブレッド・サブレ
レモンのショートブレッド、メイプルサブレなど。同じ焼き菓子でも顔ぶれはさまざまです。
ガレット・フロランタンなど
ガレット、もなかのフロランタン、ノワ、「tsumugu.のおやつ」も並びます。
記念日のために、ケーキを相談する。
誕生日や結婚記念日のために、デコレーションケーキの予約も受け付けています。生クリーム、チョコ生クリーム、期間限定のいちごタルト、フルーツタルト、蒸し焼きガトーショコラ、焼きチーズケーキ。公式メニューには、記念日を彩るケーキが並びます。
ケーキの種類を選び、人数に合わせてサイズを考える。メッセージプレートや飾り付けも含めて、贈る相手やお祝いの場面に合わせて相談できるのが、記念日のケーキです。公式ギャラリーには、メッセージを添えたものや、アイシングクッキーを飾った制作例が並びます。
注文の窓口は、店頭、InstagramのDM、電話の三つ。予約の締切や受け取りの日、飾り付けの内容、料金は、注文の前にお店と相談して決めていきます。
日常のおやつで知った店に、大切な日のケーキも相談する。tsumugu.の品ぞろえには、そうした暮らしのつながりがあります。

「ありがとう」を、焼き菓子の詰め合わせに。

焼き菓子は、自分で楽しむだけでなく、誰かに渡す贈り物にも。公式メニューでは、焼き菓子の詰め合わせについて、内容の相談を受け付けています。
日々のちょっとした手土産、お礼を伝えたいとき、離れて暮らす人に会うとき。お菓子を選ぶことが、相手を思い浮かべる時間にもなります。
詰め合わせを頼むときは、用途や受け取りたい日、予算などを伝えて、用意できる内容をお店と決めていきます。箱の種類や数量、包装、日持ちは、商品ごとに相談しながら選べます。
「縁を紡ぐ」という店名の思いを、贈り物という身近な場面から感じられる。それも、tsumugu.の魅力の一つです。
季節が変わると、並ぶお菓子も変わる。
親しみのある定番に加えて、季節や行事によって変わるお菓子も、tsumugu.の楽しみです。期間限定のいちごタルトなど、公式メニューにも季節に合わせたお菓子が並びます。
2025年の店舗紹介記事では、大谷夏いちごを使ったショートケーキや、コーヒーゼリーとブラマンジェを組み合わせたお菓子が取り上げられました。その季節のショーケースを伝える、一つの記録です。
ハロウィンには、かぼちゃやおばけをかたどった小さなケーキの詰め合わせも。行事のたびに、ショーケースの景色が少しずつ変わっていきます。
いまの営業や新しいお菓子の情報はInstagramで、これまでの制作例は公式ギャラリーで。目的に合わせて見ると、次に訪れる日の楽しみが見つかります。



