環境の話を、暮らしの中の一歩へ。
環境について知ったあと、自分はどこから関われるだろう。EOLが設立時から大切にしてきたのは、情報や知識を共有し、インターネットで生まれたつながりを現実の行動へ移していくこと。設立趣意には、地域ごとの個性や、人のつながりを大切にする考えも込められています。
ウェブの記事を読むことも、ラジオを聴くことも、森に入ることも、その入口になります。EOLの公式サイトには、環境のニュースに加えて、里山での作業、発電装置の製作、海外での活動の記録が並びます。遠く感じられる課題を、場所や人、手を動かす経験から考えられるようにする。その発信と実践が、団体の活動をつないでいます。
持続可能な社会づくりにつながる学びを支える「地域ESD活動推進拠点」にも登録され、地域に応じた学習や共同企画、情報発信の相談を受け付けています。個人が知る入口と、学校や地域の人が学びの機会をつくる入口。その両方があります。

音楽の仕事から、環境を伝える道へ。

理事長の上岡裕さんは、音楽業界でアーティストの宣伝を担当していました。公式の設立経緯で上岡さんは、1989年、仕事で訪れたタイ・バンコクで都市開発や大気汚染を目にしたことが、暮らしと環境について考えるきっかけになったと振り返っています。
1991年に米国へ渡り、環境運動やネットワークによる情報のやり取りに触れたのち、ライターとして活動。環境、音楽、インターネットについて発信し、前身となるウェブサイト「普通の人のエコロジー」へつながりました。2000年から始まるEOLの歩みには、伝える仕事の経験が生かされています。
その後、音楽やキャラクターを用いた環境の啓発、再生可能エネルギーの普及、被災地での支援へと活動が広がりました。2017年度には新エネ大賞の新エネルギー財団会長賞(普及啓発活動部門)、2018年度には地球温暖化防止活動環境大臣表彰(対策活動実践・普及部門)を受賞しています。
森も、電気も、音楽も。参加の入口は身近にある。
EOLの活動を、関心に合わせて選べる六つの入口に整理しました。読む、聴く、体験する、協力する。関わり方を考えるときの手掛かりにしてください。
どの入口から始めても、ほかの活動とつながっています。記事で知った里山の作業に参加してみる。発電の講座で、海外の協力に関心を持つ。一つの関心が、次の関わりを呼び込みます。

環境情報・ラジオ
環境や
里山・自然体験
佐野の
再生可能エネルギー・防災
「じぶん
海外環境協力
森林教育や
音楽とコミュニケーション
音楽や
当事者の声・対話
病気や
知る、つながる、試してみる。経験を次の人へ。

一つの記事が活動を知るきっかけになり、現場での経験が次の発信になる。EOLの取り組みを、四つの場面に分けて見てみます。
順番は自由です。読むことや聴くことから始める人もいれば、相談から関わる人もいる。自分に合う場面から、気軽に一歩を踏み出せます。
情報を知る
環境ニュースや
人とつながる
地域の
現場で試す
里山の
経験を伝える
作業の
佐野の里山で、自然と人の関わりを結び直す。
佐野市多田町では、里山コモンスクールなどの活動が続いています。里山に入り、手を動かしながら自然との関係を学ぶ場です。2026年8月2日には、丸太のテーブルと椅子を設置しました。参加者が職人の指導で接合部を削り、組み立てたものを分解して運び、設置場所を整えて据え付ける。木の形や組み方に触れながら、職人の技を学ぶ機会にもなりました。
同年10月5日の活動では、沢にたまった泥や杉の葉を取り除き、掘り出したものをわらや落ち葉と混ぜて山側へ戻しました。団体の活動報告には、水が流れ出したことや、小魚を見つけたことが綴られています。どこに水があり、手を入れた場所にどんな変化が見えるのか。里山の手入れは、具体的な観察と結び付いています。
自然を知る時間と、誰かと一緒に作業する時間が重なる場所。参加を考える人は、その日の作業内容や対象、服装、集合場所を募集ごとに確かめてから出かけましょう。

小さな発電所で、電気をつくる経験を。

「じぶん発電所」は、太陽光パネルや蓄電池などを組み合わせた小規模な発電システムです。EOLはその普及や製作講座に取り組み、電気を自分たちでつくる経験を環境の学びへつなげています。2026年8月22日には、宇都宮駅前で製作講座を開催。EOLの講師が作業を案内し、参加者自身が配線をつないで装置を組み立てました。
太陽の光を電気に変え、必要なときに使う。その仕組みを装置に触れながら考えると、日常の電気の使い方にも目が向きます。持ち運べる電源として、停電時の明かりや情報を得るための備えを考える活動にもつながっています。
どの機器に、どれくらいの電気が必要なのか。講座に参加する場合は、学べる内容に加え、扱う装置、材料や費用、持ち帰りの条件も確認すると、目的に合う学びを選びやすくなります。学校や地域で学ぶ機会をつくりたい場合も、対象や希望する内容を公式窓口へ相談できます。
海の向こうでも、森と暮らしを一緒に考える。
2025年2月、EOLは大学の学生や教員と、持ち運べる太陽光発電装置を製作しました。その一部をバングラデシュのフリースクールへ贈る計画が進み、同年10月の活動報告では、装置が現地に届き、子どもたちの明かりとして使われていることが伝えられました。製作の経験が、別の場所の学びにつながった事例です。
マダガスカルでは、森林と生活に使うエネルギーを合わせて考える活動を続けてきました。2022年には、現地の住民や子どもたちが苗木を植え、その後も育ち具合を確かめながら下草を刈りました。植える日だけでなく、育てるための手入れにも人が関わっています。この植樹活動は現地のラジオでも発信され、参加する人と放送で知る人の両方へ届きました。
薪や炭に頼る調理の選択肢を増やすため、バイオガス設備の支援にも取り組んできました。2023年には、整備した設備でコンロに火がともりました。森を大切にすることと、日々の暮らしに必要なエネルギーを考えること。その二つを、現地の人々との活動で結んでいます。

音楽と声で、人がつながる入口をひらく。

環境の話に初めて触れるきっかけは、人によって違います。EOLは音楽やラジオも発信の入口としてきました。いまの活動には、気候変動を伝えるラジオや、80年代の音楽とポップカルチャーをテーマにした「MUSIC JOURNEY 80s」があります。音楽をめぐるウェブ発信やインタビューなど、人の経験や文化に触れる方法を広げています。
2026年に始まった「当事者ラジオ」は、病気や障害、生きづらさなどについて、当事者の経験や悩みを語り合う音声発信です。話す人の経験に、その人の言葉で触れられることが特徴です。
好きな音楽から聴き始めても、気になるテーマの番組から入ってもいい。画面の文章だけでなく、音や声を通して人の経験を知る機会が、EOLの活動に加わっています。


