五代目が引き継ぐ、大田原の米づくり。
栃木県大田原市宇田川。那須連山から流れる伏流水に恵まれたこの地で、阿久津農園は代々米づくりを続けてきました。五代目の阿久津政英さんは、父が培った経験を引き継ぎながら、新しい技術や知識を取り入れています。
代々続く農家であることは、方法を更新し続けることでもあります。受け継いだ経験を土台に、その年の米づくりを考える。何よりも好奇心を大切に、自然と向き合いながら米を育てる農園です。
政英さんが目指すのは、大切な家族に心から食べさせたいと言える米。その思いから、農薬の使い方を見直す栽培に、小さな面積から少しずつ取り組んできました。家族への思いを、田んぼで何をするかという具体的な工夫へ移してきたことが、この農園の原点です。


「日々、」の読点。「誇り。」の句点。


二つの銘柄には、名前の最後まで意味があります。
「日々、」の読点は、米づくりが現在進行形であること。栽培方法を含めて研究を続け、これからも変わっていく。その発展途上の思いを「、」に込めました。
「誇り。」の句点は、いま自分たちにできる最高の到達点。研究はその先も続きます。句点が示すのは、育て上げた米に向き合う生産者の姿勢です。
二つは、同じ農園が育てる同じ品種「ゆうだい21」の名前です。栽培への考え方を、それぞれの銘柄で伝えています。次の工夫へ続く読点と、その時点の仕事を受け止める句点。袋を選ぶときは、句読点にも目を向けてみてください。
栃木で生まれた品種を、大田原の田んぼで。
「ゆうだい21」は、宇都宮大学農学部が開発した栃木県生まれの米の品種です。大学の別称「U大」、農場の雄大さ、稲穂が優れて大きいこと、そして21世紀の主役になってほしいという願いが、名前に込められています。
政英さんは食味コンクールで、他の生産者が育てたゆうだい21の受賞を見て、その食味の良さに気づきました。地元栃木で開発された米であることにも直感的に可能性を感じ、次の年から栽培を決めました。
育てる場所は大田原。近くを流れる蛇尾川の伏流水を田んぼに引き、山に囲まれた土地の昼夜の寒暖差が、米の味を支えています。
粒が大きく、粘りと甘みがあり、冷めても柔らかな食感が続く。品種の名前から入り、その米を育てる人と土地へ視点を広げられることも、阿久津農園を知る楽しさです。


草を取るために、植え方から考える。


農薬を使わない栽培で、政英さんがいちばん難しいと語るのが雑草への対応です。
そこで苗を密に植える代わりに、株の間隔を広げ、縦と横の両方向から除草できるようにしました。草が伸びる前、田植えの段階から、その作業ができるよう組み立てています。
間隔を広げるのは、草を取る仕事を続けるため。植え方から考えるという判断です。田植えのあとには除草機で草を浮かせ、小さいうちに手を入れていきます。
使わないものを決めることと、それに代わる仕事を考えること。稲の列を見るときは、育つ株だけでなく、その間の空間にも目を向けてみてください。
田んぼごとに、次の工夫を重ねる。
工夫は植え方のほかにもあります。苗の背丈、田植えの時期、植える株数、田んぼごとの肥料設計。毎年新しいことを取り入れ、どうできるかを楽しみながら育てています。
「日々、」という名前が示す研究は、毎年変えてみる点を持ち、稲の育ちを見て考える姿勢に表れています。


苗を見る
ゆうだい21は苗の段階から背丈が伸びやすい品種。伸びすぎないよう、育苗から管理しています。
植え方を考える
株の間隔は、並べる数に加えて、後の除草作業と結び付けて考えます。
時期を変える
田植えを3回に分け、穂が出る時期が夏の暑さのピークを避けるよう試しています。
田んぼに合わせる
肥料の設計を田んぼごとに変えるなど、場所の条件を見ながら取り組んでいます。
「日々、」と「誇り。」を、食卓へ。


農園では、農薬の使用を抑えて育てる米を「日々、」、農薬を使わない栽培の米を「誇り。」として届けています。購入するときは、選ぶ年産・商品に記載された栽培情報を確かめてください。
「日々、」は、大きな粒、しっかりした粘りと甘み、冷めても続く柔らかさが特徴。「誇り。」は、その特徴に加えて、品種独自の旨みをより強く感じられる米です。
価格、内容量、年産、在庫、発送条件は、購入時に公式ショップで確認できます。精米・玄米の選択も、同じ商品ページで行えます。
| 選ぶときの項目 | 日々、 | 誇り。 |
|---|---|---|
| 品種 | ゆうだい21 | ゆうだい21 |
| 名前に込めた思い | 研究を続ける営み | いま目指す到達点 |
| 公式の商品案内 | 精米・玄米の選択肢 | 精米・玄米の選択肢 |
積み重ねた仕事を、受賞の記録から。
阿久津農園の米づくりには、日本最大級の食味コンクールで評価された記録があります。米・食味鑑定士協会の「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」で、阿久津政英さん(栃木県大田原市)のゆうだい21は、次の賞を受けています。
つくり始めた1年目に都道府県部門で金賞、翌年には最上位の国際総合部門で特別優秀賞。そして2021年、念願だった国際総合部門の金賞を受けました。これらは各大会へ出品した米に対する記録です。
2022年には「世界最高米」の原料認定米にも選ばれました。受賞の肩書きから一歩進み、どの土地で、どんな工夫を重ねた人なのかへ関心を向けてみてください。


| 開催年・大会 | 部門 | 賞 |
|---|---|---|
| 2018年・第20回 | 都道府県代表 お米選手権 | 金賞 |
| 2019年・第21回 | 国際総合部門 | 特別優秀賞 |
| 2021年・第23回 | 国際総合部門 | 金賞 |
| 2024年・第26回 | 都道府県・海外地域代表 お米選手権 | 特別優秀賞 |
地域の売場から、遠くの食卓まで。

阿久津農園の米は、農園の公式オンラインショップで購入できます。産地へ出かける機会がなくても、「日々、」「誇り。」の名前や農園の考え方を読み、商品を選べます。
地域では、大田原市ブランド推進協議会の認定品に「阿久津家のこだわり米(ゆうだい21)」が選ばれています。地元のマルシェや道の駅、宇都宮・鹿沼の農産直売所「あぜみち」など、地域の売場でも出会えます。宇都宮の和食店では、土鍋で炊いたご飯として味わえたこともあります。
ゆうだい21を使った「お米ジェラート」が、道の駅那須与一の里で販売されたこともありました。米袋に記された名前が、田んぼで働く人の存在を、地域の売場から遠くの食卓まで届けています。
取り扱う銘柄や入荷日は、それぞれの売場で確かめられます。入荷は時期によって変わります。



