油屋から味噌屋へ。嘉右衛門町で続く商い。
油伝の商いは、1781年(天明元年)に油屋として始まりました。味噌の製造を始めたのは幕末。創業時の油屋から味噌づくりへと、商いは形を変えながら受け継がれてきました。
いまの油伝味噌は、料理用の味噌や田楽味噌を製造・販売し、店では味噌を使った料理を出しています。2023年にはクラフトビールの製造・販売も始めました。味噌、飲食、麦酒という三つの入口を、同じ会社が持っています。
「油伝味噌」は会社と店の名、「田楽あぶでん」は飲食の場、「油伝麦酒」はクラフトビールのブランド。どこから知っても、嘉右衛門町で続く一つの商いにたどり着きます。
店頭に並ぶ味噌、厨房から出てくる田楽、味噌蔵で生まれた麦酒。昔からの味を届けることと、新しい商品をつくることが、同じ場所で続いています。

料理に合わせて、味噌を選ぶ。


油伝味噌の料理用味噌は4種類。色、粒の残し方、甘さや辛さが一つずつ違い、味噌汁や焼きおにぎり、和え物、ディップソースなど、合う料理も変わります。
毎日の汁物にするのか、食材に塗って焼くのか、野菜と合わせるのか。味噌を選ぶことは、次につくる料理を考えることでもあります。
- No.1
芳醇味噌赤・こし・甘口
麹を多く使った、なめらかな舌触り。味噌汁や焼きおにぎりに。
- No.2
十麹粒味噌赤・粒・甘口
粒を残した仕上がり。味噌汁や豚汁のほか、ディップソースにも。
- No.3
天然米味噌赤・こし・辛口
大豆のうま味が持ち味。味噌汁や焼きおにぎりに。
- No.4
ゴールデン味噌白・こし・中辛口
早造りの白味噌。料理の色を生かしたいときに。味噌汁や味噌和えに。
田楽の素材に合わせて、味噌を塗り分ける。
「田楽あぶでん」の一番人気は、豆腐、里芋、こんにゃくの田楽盛合わせ。素材ごとに、塗る味噌の種類を変えています。
味噌を袋の中で見るだけでなく、料理の上で出会う。一皿の中に、味噌を使い分ける仕事が表れています。豆腐、いも、こんにゃくの田楽は、単品でも味わえます。
もう一品が「伝兵衛もち」。上新粉をついたもちを、味噌で焼き上げます。盛合わせと一緒に、食事としても楽しめる一皿です。
店頭では田楽味噌も販売しています。こんにゃくや大根、なすなど、季節の野菜にかけて使える味噌です。店で知った味を、家庭の料理へ持ち帰れます。


2023年、味噌蔵から新しい醸造へ。


油伝味噌がクラフトビールの製造・販売を始めたのは2023年。ブランド名「油伝麦酒」には、受け継いできた「油伝」の名を冠しています。
ブルワリーは、味噌工場の一部を改装してつくりました。味噌をつくってきた同じ場所に、新しい醸造の仕事を加えた挑戦です。
定番は「蔵の街ラガー」と「カエモンエール」。原材料には麦芽、大麦、ホップに加えて、味噌が並びます。味噌屋が始めた麦酒であることは、物語だけでなく中身にも表れています。
味噌と麦酒は、同じ会社がつくる二つの醸造品です。味噌づくりも続き、今も両方が店に並びます。
三つの麦酒から、味づくりを知る。
お酒は20歳になってから。お酒を楽しむ日は、運転を控えてお越しください。
店では常時4種類の生ビールを、入れ替えながら提供しています。ここで紹介した3種類も、日によって入れ替わります。その日の銘柄と商品の仕様は、店舗と公式の案内で確かめられます。


蔵の街ラガー
ピルスナースタイルの定番。すっきりした味わいとキレが持ち味です。原材料は麦芽、栃木市産大麦、味噌、ホップ。
カエモンエール
ホップを効かせたペールエール。麦とホップの香りのバランスがよく、飲み飽きない一杯です。
NIPPA IPA
軽やかな苦味とホップの香りが特徴のIPA。原材料に大麦麦芽、小麦麦芽、栃木市新波産の米、ホップ、味噌を使っています。
地元の麦と、自社の味噌を一杯に。

油伝麦酒と地域の関係を具体的に示すのが、原材料です。蔵の街ラガーとカエモンエールには栃木市産の二条大麦を使い、隠し味に少量の自社の味噌を加えています。
NIPPA IPAは、新波の米を使う商品の企画・販売者から醸造を託された一杯。麦芽は栃木県産100%。原材料には栃木市新波産の米も加わります。素材をつくる仕事と、それを醸す仕事がつながっています。
産地、麦芽、味噌の使い方。名前の先をたどると、会社がどんな材料と向き合っているのかが見えてきます。
蔵を、今の仕事が続く場所に。
油伝味噌の敷地には、国の登録有形文化財(建造物)に登録された五棟の建物があります。店舗兼主屋、文庫蔵、東蔵、中蔵、離れです。
店舗兼主屋は、旧街道に面した商家の面影を伝える建物。文庫蔵は三階建ての土蔵、離れは縁側を備えた平屋建てです。一口に「蔵」と言っても、それぞれ異なる役割を持っていた建物です。
そして今も、味噌とクラフトビールは味噌蔵で生まれています。歴史ある建物に、今の生産と飲食の仕事がある。それが、油伝を訪れる意味です。


味噌を選ぶ
売場で料理用味噌や田楽味噌に出会い、家庭の食卓へ持ち帰る。
田楽を味わう
味噌が料理にどう使われるかを知る。お酒を飲まない人にも、食の入口があります。
建物と仕事を知る
建物の由来と、今の店や製品を重ねて知る。
店で味わい、家の食卓へ。


油伝味噌は、店での販売と飲食に加え、公式オンラインショップを開いています。料理用味噌、田楽味噌、クラフトビールなどが並び、商品ごとに使い方や保存の条件を確かめられます。
味噌と麦酒を合わせたギフトもあります。十麹粒味噌と、蔵の街ラガー・カエモンエールを組み合わせたセットなど、同じ会社がつくる味噌と麦酒を一つの箱で届けます。熨斗がけや発送にも対応しています。
店で食べた田楽をきっかけに、家で味噌を使う。味噌から、麦酒づくりにも関心を持つ。店舗と通販は、同じ会社を違う場面で知る窓口です。
麦酒は酵母無濾過のため、冷蔵保存が必要です。持ち帰りや贈り物でも、商品表示に沿った冷蔵保存が基本です。
酒類を含む商品の購入は20歳以上の方が対象です。味噌だけの商品もあります。




