那須塩原で育ててきた、食を届ける仕事。
ABCミートを運営するのは、那須塩原市の鈴木レジャー産業株式会社です。1972年の会社設立から、工場の増床や冷凍設備の拡充、加工・衛生管理の体制づくりを重ねてきました。
1980年には販売網を県外へ広げ、自社便での配送を開始。1996年に第二工場が稼働し、2000年には大型冷凍庫を増設。2017年には第三工場とX線異物検出設備を導入しました。扱う量とともに、加工や保管を担う設備を積み重ねてきた歩みです。
仕事の相手は、飲食店、ホテル、ゴルフ場などの厨房です。どの部位を選ぶか、どれくらいの厚さにするか、どの状態で届けば調理しやすいか。仕入れと料理の間にある一つひとつの課題が、ABCミートの仕事につながっています。
2015年にはEC販売を開始し、家庭で肉を楽しむ人とも接点が生まれました。卸、加工、配送、商品づくり。そのすべてが、今のABCミートをかたちづくっています。

厚みも、重さも、味付けも。厨房ごとの仕込みへ。


ABCミートの仕事を表す言葉が「セカンドキッチン」です。肉をそのまま納めるだけでなく、厨房で行う下処理や調理加工の一部を引き受け、料理人が料理に向き合う時間を支えます。
スライスやカットは、ミリ単位・グラム単位の指定に対応。挽き肉の粗さや配合、店ごとの下味加工にも応じます。部位や厚みを相談しながら、目指す料理に合わせて看板メニューを共同で開発することもできます。
揚げ物用のパン粉付けや味付け肉など、調理前の手間を減らす加工。ハンバーグや豚かつといった半製品に、チャーシューやローストチキンなどの調理品。必要な加工の段階を相談できるところに、卸と厨房の間を担う役割があります。
食材、加工内容、数量、納品先、希望時期。それぞれの厨房の事情を伝えるところから、仕込みの相談が始まります。
銘柄だけでなく、料理に合わせて選ぶ。
ABCミートは、国産のブランド牛、豚、鶏に加え、輸入肉、特殊肉、ハムやソーセージなどの加工肉を取り扱っています。地域の銘柄を伝えながら、さまざまな料理や店の要望に応える品ぞろえです。
名前の似た二つの牛肉も、それぞれに特徴があります。「那須野ヶ原牛」は交雑種、「那須野ヶ原和牛」は黒毛和種。豚では那須三元豚、鶏では栃木しゃもなど、栃木の銘柄もそろいます。
産地、肉質、価格、調理方法。選択肢が多いからこそ、「何をつくりたいか」から相談できます。原産地や仕様は、商品ごとに確かめられます。
BEEF国産牛
那須野ヶ原牛・那須野ヶ原和牛など。銘柄と部位、調理用途から選ぶ。
PORK国産豚
那須三元豚など。使う料理と必要な量から選ぶ。
CHICKEN国産鶏
栃木しゃもなど。料理に合わせて部位を選ぶ。
PROCESSED加工肉・半製品
ハムやソーセージ、味付け肉。厨房で任せたい加工から選ぶ。
おいしさを届けるために、温度管理を、最後までつなぐ。

食材を選ぶ仕事と、届くまでの状態を守る仕事は一続きです。ABCミートは、入荷時の検温・検品から、冷蔵・冷凍保管中の温度確認、加工、出荷、配送までをつなぐ低温管理を行っています。
加工中の室温は15℃以下で管理し、冷蔵・冷凍庫は毎日複数回確認。配送時も庫内の温度を記録しています。
石林666-1の施設は、栃木県の食品自主衛生管理認証制度「とちぎHACCP」の認証を、食肉製品製造業・食肉処理業で受けています。初回認証は2018年11月13日、認証番号は第66号・第67号です。
X線異物検出設備や、鮮度保持・冷凍に関わる設備も導入しています。入荷から配送までの管理を毎日続けること。その積み重ねが、食材を届ける会社の大切な仕事です。
入荷・検品
入荷時に温度を測り、品質を確かめる。
保管
冷蔵・冷凍庫の温度を、毎日複数回確認する。
加工
室温を15℃以下に保った加工室で仕上げる。
出荷・配送
配送中も庫内の温度を記録する。
必要な量を届け、次の相談も受け止める。
厨房の仕事を進めるには、仕込みに加えて、必要なときに届くことが大切です。ABCミートは、加工と配送を組み合わせ、必要な食材を必要な量だけ届けています。
業務用のサービスでは、午前6時までの注文で当日配送に対応します。対象の地域や営業日、商品、加工の内容は、取引の際に確かめられます。
業務用の配送を担うのは、自社の社員です。納品するだけでなく、問い合わせや要望を直接受け止める接点にもなっています。
注文にはWeb発注システムも用意し、繰り返し注文する商品の数量入力や発注履歴の確認ができます。肉を選び、加工を頼み、受け取り、次の注文を考える。厨房の流れに沿って、日々の取引を支えています。

生産者の仕事を、那須のブランドとして伝える。


ABCミートは2010年から、那須野ヶ原牛・那須野ヶ原和牛のブランド化に取り組んできました。地元の生産者と協力し、どこで、どのように育った牛肉なのかを伝えることも、商品の価値づくりの一部です。
生産者は、繁殖から出荷までを一貫して手がけ、出生からの生産履歴を管理しています。ABCミートは、その生産の現場と肉を使う人の間に立ち、背景ごと届ける役割を担っています。
2021年には、「那須野ヶ原牛」が那須塩原市の「那須塩原ブランド」に認定されました。
肉の名前を知ることから、その肉を育てる仕事を知ることへ。産地の情報を食べる人まで届ける視点が、ブランドづくりを支えています。
もてぎの和牛を、コロッケで食卓へ。
ABCミートが手がける「MOTEKORO(モテコロ)」は、茂木町で育つ「もてぎ放牧黒毛和牛」のコロッケ。和牛のうまみと風味が広がる、シンプルでナチュラルな味わいです。
原料は、茂木町の瀬尾ファームが8.1ヘクタールの耕作放棄地を放牧地に再生して育てるブランド牛。味を重視した餌と交配を選び、自然の中でストレスなく育てています。
ホテルやレストランで提供されてきた希少な牛肉を、もっと多くの人へ。その想いからたどり着いた形がコロッケでした。栃木県フードバレー事業の採択を受けて商品化し、Otowa Restaurantの音羽創シェフの監修で試作を重ね、バイヤーを招いた試食会の声で味を磨きました。
2026年1月、MOTEKOROは冷凍食品大賞で、115品の中から金賞を受賞しました。
2026年1月現在、あぜみち戸祭店、上河内サービスエリア上り線売店、東武百貨店宇都宮店、福田屋百貨店インターパーク店、道の駅しもつけ、道の駅きつれがわ、ABC Meat FACTORY OUTLETで購入できます。


金賞
冷凍食品大賞で、115品の中から選ばれた。
8.1ha
耕作放棄地を、放牧地として再生した。
シェフ監修
Otowa Restaurant・音羽創シェフが監修。
7か所の売場
百貨店や道の駅などで買える(2026年1月現在)。
食の仕事を、人と地域の次の一歩へ。

切る人、品質を確かめる人、届ける人、商品を考える人。ABCミートのサービスは、いくつもの仕事のつながりで成り立っています。
2026年6月には、初めての経営方針発表会を開きました。会社が目指す方向や大切にする価値観を整理し、人事評価制度も見直しています。「お客様のために。生産者のために。地域のために。そして、一緒に働く仲間のために。」という思いを、一人ひとりの行動へつなげていきます。
地域の学びとの接点もあります。那須拓陽高校の生徒が育てた黒毛和牛を、ふるさと納税の返礼品として出品することを目指したプロジェクトに協力しました。育てた牛肉を、どのように人へ届けるか。その間を支える経験が、地域の取り組みと重なっています。
食肉卸は、ものを運ぶことに加えて、人の知識と判断をつなぐ仕事です。


